2014年03月14日

3.11 14:46 (悲しみの本質と被害の重み)

東日本大震災から3年。震災直後にビートたけし氏が『週刊ポスト』誌上で語ったインタビュー記事「『被災地に笑いを』なんて戯れ言だ」は、当時大きな反響を呼んだ。その言葉は、震災から3年が経過した今でも色褪せることはない。著書『ヒンシュクの達人』(小学館新書)にも収録されている当時のたけし氏の言葉を、あらためて全文公開する。

なによりまず、今回の震災で被災された方々には心よりお見舞い申し上げます。こんな大惨事になるとは思ってもみなかった。
 ちょうど地震の時は調布のスタジオで『アウトレイジ』続編の打ち合わせをしててさ。オイラ、普段は大きな地震でも平気な顔して座ってるタイプなんだよ。
 だけど今回は、スタジオの窓から見えるゴミ焼却炉のデカい煙突がグラグラしててさ。今にもこっちに倒れてきそうなんで、たまらず逃げたね。こんなこと初めてだよ。そんなの、震源地に近い東北の方々の被害に比べりゃ何でもない話だけどさ。
 どのチャンネルつけても、報道番組一色で、オイラはすっかりテレビから遠ざかっちまった。こうなってくると、ホントにお笑い芸人とかバラエティ番組にできることは少ないよ。
 地震発生から間もない14日の月曜日に、『世界まる見え! テレビ特捜部』(日本テレビ系)の収録があって、スタジオに客まで入れてたんだけど、直前に取り止めたんだ。所(ジョージ)と相談してさ。こんな時に着ぐるみ着てバカやれないよって。とてもじゃないけど笑えないよってさ。
 よく「被災地にも笑いを」なんて言うヤツがいるけれど、今まさに苦しみの渦中にある人を笑いで励まそうなんてのは、戯れ言でしかない。しっかりメシが食えて、安らかに眠れる場所があって、人間は初めて心から笑えるんだ。悲しいけど、目の前に死がチラついてる時には、芸術や演芸なんてのはどうだっていいんだよ。
 オイラたち芸人にできることがあるとすれば、震災が落ち着いてからだね。悲しみを乗り越えてこれから立ち上がろうって時に、「笑い」が役に立つかもしれない。早く、そんな日がくればいいね。
 常々オイラは考えてるんだけど、こういう大変な時に一番大事なのは「想像力」じゃないかって思う。今回の震災の死者は1万人、もしかしたら2万人を超えてしまうかもしれない。テレビや新聞でも、見出しになるのは死者と行方不明者の数ばっかりだ。だけど、この震災を「2万人が死んだ一つの事件」と考えると、被害者のことをまったく理解できないんだよ。
 じゃあ、8万人以上が死んだ中国の四川大地震と比べたらマシだったのか、そんな風に数字でしか考えられなくなっちまう。それは死者への冒涜だよ。
 人の命は、2万分の1でも8万分の1でもない。そうじゃなくて、そこには「1人が死んだ事件が2万件あった」ってことなんだよ。
 本来「悲しみ」っていうのはすごく個人的なものだからね。被災地のインタビューを見たって、みんな最初に口をついて出てくるのは「妻が」「子供が」だろ。
 一個人にとっては、他人が何万人も死ぬことよりも、自分の子供や身内が一人死ぬことのほうがずっと辛いし、深い傷になる。残酷な言い方をすれば、自分の大事な人が生きていれば、10万人死んでも100万人死んでもいいと思ってしまうのが人間なんだよ。
 そう考えれば、震災被害の本当の「重み」がわかると思う。2万通りの死に、それぞれ身を引き裂かれる思いを感じている人たちがいて、その悲しみに今も耐えてるんだから。
 だから、日本中が重苦しい雰囲気になってしまうのも仕方がないよな。その地震の揺れの大きさと被害も相まって、日本の多くの人たちが現在進行形で身の危険を感じているわけでね。その悲しみと恐怖の「実感」が全国を覆っているんだからさ。
 逆に言えば、それは普段日本人がいかに「死」を見て見ぬふりしてきたかという証拠だよ。海の向こうで内戦やテロが起こってどんなに人が死んだって、国内で毎年3万人の自殺者が出ていたって、ほとんどの人は深く考えもしないし、悲しまなかった。「当事者」になって死と恐怖を実感して初めて、心からその重さがわかるんだよ。
 それにしても、今回の地震はショックだったね。こんな不安感の中で、普段通り生きるってのは大変なことだよ。原発もどうなるかわからないし、政府も何考えてるんだかって体たらくだしさ。政治家や官僚に言いたいことは山ほどあるけど、それは次回に置いとくよ。まァとにかく、こんな状況の中で、平常心でいるのは難しい。これを読んでる人たちの中にも、なかなか日頃の仕事が手につかないって人は多いと思うぜ。
 それでも、オイラたちは毎日やるべきことを淡々とこなすしかないんだよ。もう、それしかない。
 人はいずれ死ぬんだ。それが長いか、短いかでしかない。どんなに長く生きたいと思ったって、そうは生きられやしないんだ。「あきらめ」とか「覚悟」とまでは言わないけど、それを受け入れると、何かが変わっていく気がするんだよ。
 オイラはバイク事故(1994年)で死を覚悟してから、その前とその後の人生が丸っきり変わっちまった。
 今でもたまに、「オイラはあの事故で昏睡状態になっちまって、それから後の人生は、夢を見ているだけなんじゃないか」と思うことがある。ハッと気がつくと、病院のベッドの上で寝ているんじゃないかって思ってゾッとすることがよくあるんだ。
 そんな儲けもんの人生だから、あとはやりたいことをやってゲラゲラ笑って暮らそうと思うんだ。それはこんな時でも変わらないよ。やりたいことは何だって? バカヤロー、決まってるだろ。最後にもう一本、最高の映画を作ってやろうかってね。


あの日
携帯も電話も 全く 繋がらなくて
何度も 何度も 電話をして
無事を確認できて 良かったと思った。

自分には 心配する人も 心配してくれる人も いる



今の社会はストレスをドンドン生み出し増加してゆくでしょうと、
そして、「ストレスは人生の雨」と考えればいいと言われました。
雨が無ければ植物も成長しない、必要なものだと。でも、その
ストレス(雨)に打たれ続けると弱ってしまう。だから傘が必要
になると言う。その傘には、自分の心の中にある傘と、周りの
人が差し伸べてくれる傘の二つがあるという。
自分自身の傘だけではストレスという雨を防げない時がある、
そんな時、すぐ近くにいて傘を翳してくれる人がいれば立ち直れる。


自分の心の中にある 自分専用の傘
周りの人が差し伸べてくれる傘
人のために 翳してあげる傘

自分には、大きな傘はないかもしれないけど
ちっさい傘なら 有るような気がする
周りには 傘を持っている人が たくさんいる


なんか救われた気持ちになった記事をコピーしてみました。
  大丈夫!
    まだ 頑張れる!
      だって 一人じゃないから!


同じカテゴリー(ヒトリゴト)の記事画像
令和元年度更埴支部剣道講習会‼️
剣道袴にある「五輪五常の教え」
節目の50回大会✨✨
がんばれ 受験生! (前期選抜)
3月11日 金曜日 午後2時46分
季節感 (ひとりごと その5)
同じカテゴリー(ヒトリゴト)の記事
 令和元年度更埴支部剣道講習会‼️ (2019-07-31 08:01)
 剣道袴にある「五輪五常の教え」 (2018-11-16 18:35)
 節目の50回大会✨✨ (2018-10-28 16:43)
 3月11日 午後2時46分 (2014-03-11 07:27)
 がんばれ 受験生! (前期選抜) (2014-02-05 07:27)
 一音入魂 ~わかばの響き~ (2013-04-04 07:25)

Posted by ちくま剣道育成会 at 07:27│Comments(0)ヒトリゴト
※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。
上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

ちくま剣道育成会とは
ちくま剣道育成会
ちくま剣道育成会
平成4年8月1日
長野県千曲市 更埴市民体育館
剣道場において
故 小田弘文先生が
剣道教室を開かれました。
この剣道教室が
「ちくま剣道育成会」の
前身です。
令和元年 創部27年を
迎えました。
< 2025年04月 >
S M T W T F S
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30      
過去記事
新規投稿

新規投稿するにはログインする必要があります。会員IDをお持ちでない方はIDを取得された後に投稿できるようになります。
インフォメーション
長野県・信州ブログコミュニティサイトナガブロ
ログイン

ホームページ制作 長野市 松本市-Web8